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くまもとアートポリスプロジェクトの一環で、木材加工場に対するプロポーザル応募案です。
地域に根ざした工務店が木材加工場をつくるにあたり、20mx30mからなる無柱空間を木造で実現すること、これからの建設の担い手となる若手大工を育成する場とすること、地域活性化に貢献する施設とすることが求められました。私たちは、工場という日常では馴染みの少ない建物に対して、つくり方、見え方、使い方を透明にすることで、地域社会に浸透する木材加工場を考えました。
架構は120mmx240mmの県産流通材を使い、部屋の四隅から格子を重ねた透かし梁を迫り出して中央で支え合うドーム状の無柱空間です。製材過程で発生する端材に地域住民が自由に絵やメッセージを描き、それを大工が透かし梁の隙間に挟み込んで架構がつくられます。外壁は透明なポリカーボネートの波板で、みんなによる木造架構は街からいつでも見ることができます。透かし梁の隙間からは日射が入って室内を光で満たし、夜は行灯のように光が漏れて街を柔らかく照らします。木材加工場では定期的に木育イベントが開かれ、大工は教えることで技術力を向上させ、地域住民は木に触れることで木工作が身近になります。
建物のあり方の透明さによって、地域社会に根ざした木材加工場の姿を目指しました。
敷地:熊本県/用途:木材加工場/敷地面積:960m2/建築面積:600m2/延床面積:600m2/構造・規模:木造 地上1階/建築:山下貴成建築設計事務所/構造:構造計画研究所/設備:環境エンジニアリング
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