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岩手県釜石市に建設されるワーケーション施設のプロポーザル応募案です。

 

東日本大震災の復興が進む釜石の三陸海岸に、地元の運営者と一体になって地域の活力を取り戻す、ポスト復興社会の拠点となるような企業版ワーケーション施設が求められました。

私たちは、3つのコンセプトをもとに施設を考えました。まず、万が一の水害を考慮して建物を地面から持ち上げること、次に、建物を様々な方向に向けることで造成された新しい土地に拠り所を生み出すこと、そして、働く環境として小さな居場所をつくりながら、時間と空間を共有できる大きな環境をつくることです。

建物は地面から1mほど持ち上げられたRCスラブの上に、住宅スケールの細かな木造架構を載せた構成です。全ての床レベルを浸水想定高さより上に設定しながら、室内段差や外周の縁側、屋上テラスが地面との関係を柔らかく馴染ませています。部屋が寄り集まってジグザグと続き間になった室内はちょっとした溜まりのコーナーが立体的に点在し、その日の気分でお気に入りの居場所を見つけて仕事ができるオフィス環境になっています。釜石に由来する鉄や石、県産の木材で仕上げられた表情のある部屋が各方面に振られていることで町との緩やかな繋がりが生まれ、新しい町並みを形成するきっかけをもたらします。

それぞれの要素が混ざり合う様は、山々に囲まれ入り組んだ釜石湾ような、釜石の町のつくりそのものです。ワーケーションで訪れる人々や地域住民が、釜石らしさをどことなく感じられる環境づくりを目指しました。

敷地:岩手県釜石市用途:オフィス, 研修施設敷地面積:456.72m2建築面積:300m2延床面積:350m2構造・規模:木造 2階建て 

※プロポーザル応募案 ファイナリスト

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